製品情報【熱意識(ねついしき) 新熱製品の数々に込められた「お客様へのお役立ちを果たしたい」の総意。】

技術資料−シーズヒーターとは−

3.シーズヒーターって何に使うのですか?

これは、ちょっと回答が難しいですね。
というのも、使われる範囲が余りにも広すぎて、逆に説明がしにくいためです。
ヒーターメーカーによってもそれぞれ得意分野があると思いますし。
そんなことを言っても話が進まないので、主に新熱工業の製品例でお話ししてみます。

1.使われる場所

a. 半導体や液晶などの真空用装置用途

身近なところでは、パソコンのCPU(集積回路)、スマートフォンの画面や、テレビの画面、などを作る装置用のヒーターです。このような製品向けの装置は、いくつもの工程を経過して最終的な半導体や液晶が作られます。
このたくさんの工程毎の装置で半導体の基板(シリコンウエハー)や液晶の基板(ガラス、有機EL)を加熱する必要があります。その加熱源としてたくさんのシーズヒーターが使われています。特に、重要工程になる基板への成膜工程では、プレートヒーターと呼ばれる平板形状のプレートの上にそれぞれの基板を乗せて成膜をしていきます。
このプレートには、表面の温度分布が均一であることが要求されます。
このプレートヒーターにも新熱工業の曲げの技術を生かして、複雑な曲げ形状をしたシーズヒーターを使うことで、プレート表面の温度分布を均一することに貢献しています。

b. 厨房器用途

2. 6項でもお話しましたが、フライヤー用途としてスーパーフラットヒーターや丸いシーズヒーター等が使われています。
また、スチームコンベクションと呼ばれる蒸気を使った業務用調理機器や、ピザ焼き用などの業務用オーブン鉄板(焼き肉、鯛焼き、大判焼き、タコ焼きなど)の加熱用、業務用炊飯器、麺をゆでる設備など、多種多様な製品に使われています。

c. 理化学機器用途

スターラー用ヒーター(スターラーとは、ビーカーやフラスコ内の溶液などを撹拌するために使う器具で、医学の研究や化学の実験などの現場で、利用されています。)や各種試験器用ヒーターなどに使われています。

d. プラント配管及び機器加熱用途

常温以上に配管や機器の温度を維持する必要のあるプラントでは、シーズヒーターを加熱源として使われています。
温度の制御が容易なことやヒーターの交換が比較的容易なことが選ばれる要因です。

e. 液体加熱用途

カタログでご案内していますプラグヒーター、板フランジヒーターなどが該当します。
また、海水等腐食環境用途でチタンパイプのシーズヒーターも製作しております。

f. ガス加熱用途

ここは、新熱工業の得意とするところですので少し記載枠を大きくしてお伝えします。
2.5 c項で紹介した「少流量のガス加熱器」もこの分野の製品です。
新熱工業独自の製品で「クリーンホット」という名称のガス加熱器があります。
これは、曲げの技術と、ケース内のガスの流れを工夫し、保温材の施工無しでも外装管が高温にならず、また、保温が不要なので、クリーンルーム内でも使えるというサイズもコンパクトなガス加熱器です。
曲げの技術でコンパクトながら、長いヒーターを内装し、ガスの流路にも工夫したことで、ヒーターの容量を大きくし、ガス温度も高く出来た製品です。
特許も取得しています。

図-15に写真を図-16にガスの流れを示します。

a.シーズヒーター(両側タンシ)

クリーンホット
(図-16)

b.カートリッジヒータ(片側タンシ)

クリーンホットのガスの流れ
(図-17)

クリーンホットの他にもインラインタイプのガス加熱器も多く生産しています。
インラインタイプとは、容器の様な形(一般的にシェルタイプと呼ばれます)にするのではなく、前後にフランジを付けた配管の形状で、その中に、曲げ技術により、長いヒーターを複雑に曲げ、コンパクトにしたシーズヒーターが挿入されています。

図-17にインラインタイプの製品例を示します。

(図-18)インラインタイプのガス加熱器

インラインタイプのガス加熱器
(図-18)

ガス加熱器は、シーズヒーターを使った製品の中でも設計および製作が難しい部類の製品です。
ここで、少しその辺の説明をしたいと思います。
退屈な話になるかもしれませんが少々お付き合いをお願いします。

ガス加熱器の設計および、製作が難しい理由は、下記によります。

『ガスにはヒーターからの熱が伝わりにくい』

ガス加熱器ですから、加熱器の中でガスが流れているわけですが、流れているのが水とした場合の約2%程度(大雑把な値です。)の熱の伝わり方にしかなりません。
そのために、ヒーターの温度とガスの温度との差が非常に大きくなります。
余りにこの温度差が大きい場合は、必要なガス温度まで昇温しようとすると、ヒーターが限界温度を超えて破損してしまします。
これでは安心して使えない加熱器になってしまいます。
それを解決する方法は、ヒーターの長さを長くしてヒーターの表面電力密度を出来るだけ小さく設計することと、流路を狭くしてガスの流速を上げるような設計が重要になります。
流速は、ガスの流量と流路面積の関係で決定されますので、新熱工業では、ガス流量によりいくつかのタイプのガス加熱器をラインナップしています。
このヒーターを長くすることを、新熱工業ではシーズヒーターを複雑な形状に曲げることで可能としています。
これは、設計だけの技術ではなく、製造技術も必要になります。
他のメーカーのガス加熱器でも同様ですが、出口のガス温度に上限値を設けているのは上記の様な理由からです。

他にも物を温めるという用途にはほとんどのケースで使えます。
但し、ランニングコストを考慮するとシーズヒーター以外の熱源の方が良い場合もたくさんあります。
お風呂をわかしたり、部屋を暖めたり、等々。
シーズヒーターで物を温める場合の優位点は、正確な温度制御が出来る点でしょう。
(ヒーターだけでなく、温度制御のための温度計(熱電対等)や制御機器が必要になりますが・・)用途に合わせて選定してください。
「シーズヒーターが使えないかな?」というときは、ぜひ、新熱工業に声をかけてください。

4.シーズヒーターの使用方法上の注意点ってありますか?

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