電気ヒーターの安全性
技術資料

電気ヒーターはその使用方法及び初期のヒーターの選定条件の差異によって危険度の大きさが計り知れないものもあります。下記事項を十分にご留意・ご理解いただき、トラブル発生を未然に防止できるよう対策を施したうえでのご使用をよろしくおお願いいたします。

シーズヒーターの安全性について

シーズヒーターの取付け及び使用の際は、使用条件に合わせて漏電遮断器、過昇温防止器、制御器などと一緒にご使用ください。ヒーター単体では温度制御はできませんので、これを怠りますと大事故につながる恐れがあります。

シーズヒーターは外管(シース部分のパイプ)材質が金属のため、いかなる表面処理を施しても経時変化に伴う腐食(特に液体を直接加熱する場合は顕著に表れます)は避けられません。特に、蒸気発生、水中、海水、PH 液、粘度の高い液体、炭化しやすいものなどの加熱用途では、設計段階における使用条件を明確にし、十分に検討のうえ、パイプ材質の選定やヒーター仕様の検討、設置後のメンテナンスを考慮してください。

液体加熱用途ヒーターの選定及び取扱い上の注意点

液体の加熱を目的に設計されておりますので、発熱部が液面から露出しないような取付けを行ってください。液面から発熱部が露出した状態で使用すると、ヒーターが空焚き状態となります。それによりヒーターが想定より高温になり非常に危険な状態となりますので、十分にご注意ください。

ヒーターの接続端子部分は防滴保護がされておりますが、完全防水仕様ではありません。接続端子部分に液体が直接かかったり不純物が付着したりすると絶縁不良の原因になります。特殊な使用環境では防水仕様をご検討ください。

被加熱物の液体種類によっては、ヒーターの表面に不純物が付着し、局部的に異常加熱となる場合がございます。不純物を除去するための定期的なメンテナンスを行ってください。金属腐食性液体、可燃性液体の加熱に使用する際は、ヒーターの電力密度、ヒーター温度、液体温度を十分ご確認のうえ、シース材質の選定、発熱量の算出が必要となります。これを怠りますと大事故につながりますので、十分ご注意ください。

空気加熱用途ヒーターの選定及び取扱い上の注意点

空気の加熱を目的に設計されておりますので、空気加熱以外に使用しないでください。誤って別用途で使用した場合は大事故につながります。

ヒーター接続端子部分は防滴、防水構造ではありません。使用環境時は十分ご留意ください。場合によっては、絶縁不良を起こす恐れもございますので、特殊環境(湿気、油分、粉塵など)下における使用では、防水仕様や防爆仕様をご検討ください。

ヒーター設置の際は、加熱時のシース膨張をあらかじめ見込み、設置場所のスペースを確保して取付けを行ってください。

空気強制送風機を使用する場合は、安全保護装置を付加してからご使用ください。ヒーター加熱後に何らかのトラブルで送風機が停止した場合、火災の原因になります。インターロック回路などの危険防止策を施してからご使用ください。

金属加熱用途ヒーターの選定及び取扱い上の注意点

金属の加熱を目的に設計されておりますので、金属加熱以外に使用しないでください。誤って別用途で使用した場合は大事故につながります。

端子とリード線の接続部分が加熱部の中に入ってしまうような場所で使用すると絶縁破壊を起こし、事故の原因となります。取付け場所には十分ご注意ください。

端子とリード線の接続部に振動や外力が加わると折損や切断による短絡事故のリスクが高まります。過度な衝撃が加わらないようご注意ください。

水のかかる場所や湿気及び加熱によるミストの発生する場所での使用は、端子とリード線の接続部分での絶縁低下要因となります。このような特殊環境(湿気、油分、粉塵など)下における使用では、防水仕様や防爆仕様をご検討ください。

金型加熱用途のようにヒーターを挿入穴に取付けて使用する際は、挿入穴とヒーターシース径のギャップが可能な限り小さくなるよう施工ください。ギャップが大きいとヒーターからの熱伝導が阻害され、ヒーター温度のみが異常に上昇し、トラブル発生リスクが高まります。

シーズヒーター一般に関する技術資料一覧