Sheathの無い、発熱線が剥き出しのヒーターは、発熱線に触れると当然感電します。
そのような理由から、使用する場所を限定することなく、色々な場所に設置して安全に使うことが出来ます。
色々なところで最適な形に曲げて使用されています。
新熱工業のヒーター曲げ製品例を図-2に示します。
実は、もっと複雑な曲げも可能ですが、製品ノウハウに抵触するため一般的な製品だけ紹介します。
新熱工業は、ヒーターを曲げることを得意としています。
新熱工業の特色の一つとして、小さい外径のヒーターの製作が可能なことがあります。
細かいことは、この後の項で紹介させていただきます。
シーズヒーターの場合、一般的に両側からタンシを引き出す構造のヒーターの呼び方としています。
なんか、紛らわしいですね・・
要するに、Sheathを被ったヒーターなので、カートリッジヒータもシーズヒータになるのですが、どちらも「シーズヒーター」と呼んでしまうと間違いのもとなので、片側タンシをカートリッジヒーター、両側タンシをシーズヒーターと区別して呼んでいるということです。
カートリッジは英語で「Cartridge」です。辞書で調べると「本体に容易に着脱できる交換用の小さな部品」とあります。
カートリッジヒーターは、片側にリード線があるので、金型の孔に差し込んで使用することが多く、このように呼ばれたのかもしれませんね。
下図(図-3シーズヒーター、図-5カートリッジヒーター)にその構造を示します。
図-4にシーズヒーターの電源接続例を示します。両側へ電源接続用のリード線が付きます。
一般的には、「シーズヒーター」(両側タンシ)を使用することが多いのですが、金型の穴に差し込んで使用するなど、電源を片側で接続する必要がある場合は、「カートリッジヒーター」を選定します。
下図(図-6)に新熱工業のカートリッジヒーターの製品例を示します。
新熱工業では、スーパーフラットヒータという製品名で、丸くない、平べったい断面形状のヒーターも作っています。
まずは、丸い断面のヒーターから紹介します。
a.シーズヒーター(両側タンシ)
b.カートリッジヒータ(片側タンシ)
No. | 外径 (mm) |
シーズ ヒーター |
カートリッジ ヒーター |
備考 |
---|---|---|---|---|
1 | φ1.8 | ○ | × | 新熱工業で作っている最小径のヒーターです。 |
2 | φ3.2 | △ | × | |
3 | φ5.3 | △ | × | 新熱工業で作っているクリーンホットというガス加熱器用のヒーターです。 |
4 | φ6.5 | △ | △ | 新熱工業で作っているクリーンホットというガス加熱器用のヒーターです。 |
5 | φ8.0 | ○ | ○ | |
6 | φ9.0 | △ | △ | |
7 | φ10.0 | ○ | ○ | |
8 | φ12.0 | ○ | ○ | |
9 | φ14.0 | △ | △ | |
10 | φ15.0 | △ | ○ | |
11 | φ16.0 | △ | △ | |
12 | φ18.0 | △ | ○ | |
13 | φ19.0 | △ | × | |
14 | φ20.0 | × | ○ | |
15 | φ25.0 | × | ○ |
【記号説明】○:標準品 △:非標準品 ×:製作していません
表-1から、新熱工業では、比較的細い外径にヒーターをラインアップしていることがご理解頂けると思います。
ここで、新熱工業の特徴を表している表-1のNo.1、φ1.8mmのシーズヒーターについて少々PRをしてみたいと思います。
下記のような製品例があります。
通常、この細さになるとヒーター業界では、マイクロヒーターと呼ばれる、Sheathの中の発熱線が1本の直状のヒーターが主流です。
一方、新熱工業のφ1.8mmシーズヒーターは、この細さで、内部の発熱線が、普通のシーズヒーター同様に、きちんとコイル状に巻かれた発熱線が、入っています。
マイクロヒーターもシーズ(Sheath)ヒーターの仲間です。
新熱工業のφ1.8mmシーズヒータに外径的に対応するマイクロヒーターの一般的な外径には、φ1.0、φ1.6、φ2.3(マイクロヒーターのメーカーにより若干の違いはあります。)等が相当します。
マイクロヒーター、シーズヒーターそれぞれの特徴と設置場所等を考慮して、適したヒーターを選定する必要があります。
図-13にφ1.8シーズヒーターとφ3.2マイクロヒーターのX線写真を示します。
マイクロヒーターとシーズヒーターの違いを下表(表-2)に示します。
ヒーター区分 | 抵抗値 | 発熱範囲 | 特徴 |
---|---|---|---|
細径シーズヒーター 内部X線写真 |
コイリングした発熱線を使用しているため、任意の抵抗値が設定できます。ヒーターの外径、長さが同一でも異なる容量のヒーターが製作できます。 | シースの中に発熱部と非発熱部があるので、不要な部分が加熱されることが無いです。 | 色々な抵抗値の製品が作れますので、商用電源(100V、200V等)のままで任意の長さのヒーターが製作可能です。 |
マイクロヒーター 内部X線写真 |
発熱線径がヒーターの外径毎に固定されていますので、ヒーター長さと外径で抵抗値が決まってしまいます。 | ヒーター全長が発熱部となります。不要な部分が高温になる場合があります。 | 長い(数十メートル)ヒーターが製作可能です。プラントの配管やバルブ等に長いヒーターを施工する場合に向いています。 |
こちらも新熱工業お勧めの独自な特殊ヒーターです。
幅24.1mm×厚さ6.9mmの平板状の断面のヒーターです。寸法は、1種類です。
主に、コンビニエンス向けのフライヤー用途で多く使われています。
その断面形状から、揚げ物のカスが付きにくく、メインテナンスが丸いヒーターより容易で、かつ、油の劣化が少ないというような利点があります。
丸いヒーターと同じく、Sheath付きで、シーズヒータータイプとカートリッジヒータータイプの2種類があります。
下図(図-13シーズヒータータイプ、図-14カートリッジヒータータイプ)にその写真を示します。
写真をご覧になって判ると思いますが、このスーパーフラットヒーターにも新熱工業のヒーター曲げ技術が、大きく貢献しています。