新しい熱と未来をつくる 新熱工業株式会社

2022年10月におかげさまで
創業40周年を迎えました!

「40周年を迎えて」

新熱工業株式会社
代表取締役 大谷直子

40周年を迎えて、まず新熱工業の歴史を振り返りたいと思います。

創業は1982年で私の父が創業者で私は二代目の社長となります。私が新熱工業に入ったのは2000年からになりますので、以前の新熱の姿はどうだったのか父や母から聞いた話で印象深かったことを振り返ってみたいと思います。

実は、私は自分の手帳の中に創業時の工場の写真を入れて常に持っております。それは、創業メンバーの想いを大切にしておきたいからです。当時、先輩方は小さなこの工場でゼロからスタートし、寝る間も惜しんで一心不乱にヒーターづくりに邁進されていました。また、この一帯は住宅地だったので、ヒーターを作る際のマシンの叩く音が響き渡りご近所様に迷惑をかけるなど、数えきれない程の障害を一つ一つ乗り越えて創業メンバーの仲間と共に築き上げてきました。私たちが考えもしなかった苦労を重ねてきた先輩達のお陰で、この新熱工業が誕生したのだと改めて感動と感謝の気持ちでいっぱいです。

会社の寿命は30年という説がありますが、40年続けるというのは本当に大変なことで、誇らしいと思っています。
社員の皆さま、お客様、取引先様、今まで新熱工業に関わって下さった先輩方のお陰で40周年を迎えられたと思います。

創業当時からシーズヒーターに特化し、独自の製品を作るということに魂を込め、次々と新しいことにチャレンジし、それを確実に成果につなげていったことの積み重ねで“強み”が生まれました。40年続けてこられたのは、創業メンバーがその基盤を作って下さったおかげと思っています。

1989年には日立市留町の工場へ移転するのですが、当時としては大きな借金をし、思い切って工場を建てたのが大きな転機でした。
その8年後に行われた創立15周年記念式典の映像を見ていて驚いたことがありました。その時の父(社長)の挨拶で「会社を作り上げていくのは誰かがやってくれることではない。私たち一人ひとりが夢を持って作り上げていくものだ」という言葉を聞き、当時の社長の想いと今の私の想いが全く同じであったことは心底嬉しかったです。

2000年から私はこの新熱に入社しましたが、ちょうどその頃は会社も転換期で、シーズヒーター単体だけではなく気体加熱器や脱臭器といったヒーターを熱源として使った機能部品を展開したいという強い想いのもと、開発に力を入れた時期で、新しいことにチャレンジしていく勢いを感じました。 このころに設備投資を決断し、2004年にひたちなか本社を建てましたが、同時に世代交代を考える極めて重要な大変な時期でもありました。将来のためにどうしたら良いかということを、真剣に悩み苦しんだ時でした。

私が2代目になることを決心してからは、下積みもなかったので苦しいことが続きましたが、「自分が力をつけてなんとかせねば」ではなく「皆さんの協力を得て会社を成り立たせよう」という気持ちに切り替えてから、世界がガラッと変わりました。そこからは皆さんと会社を盛り立てていくためにも、なにより信頼関係を築いていくことに専念し、私は前に進むことが出来ました。
私だけではなく管理職の方々も覚悟を決めてくれたので、世代交代も何とか軌道に乗ったのか思います。私という人間を理解してくれたことに改めて社員の方々には心から感謝したいです。

その後シーズヒーターのメーカーとして成熟期に入ったわけですが、お客様から信頼を頂ける安定的な製品提供が持続できる企業へと発展していかねばなりませんので、しっかりとした仕組み作りをコツコツと整えてきました。
更に将来の事を考えるとこのタイミングでの設備投資は不可欠でした。本社工場と日立工場が離れていることで様々な弊害が生まれていましたので、会社のハード面とソフト面での改革は同時に行う事が重要であると考え、本社工場の拡張を決断し、2019年に第2工場を竣工し工場統合を果たしました。社員さん一人ひとりの「本当に仕事がしやすい環境」を自分たちで考え建てたというプロセスにより、若い方達も設備投資に参画出来たことが良い経験になったと考えます。

第2工場ができ、いよいよ全ての部署が一箇所に集中し、より良い成果を上げていこうと希望に満ちていた矢先、新型コロナウィルスの問題が生じました。今まで常識としていたコミュニケーションが思うようにとれないという苦しさに直面し、難しい判断を迫られる本当に苦しい2年間でしたが、いつ何時も不測の事態に対応するという、良いきっかけになったと考えます。
社員さん達が様々な変化に順応していく姿は、新熱工業の新たな強みになったと感じています。

そして、これからのことですが、40年を迎え、また新たな転換期に入ったと思っています。
お客様から感動してもらえる唯一無二の存在になれるよう、他社さんができないような無茶な要求でも、さらっとやってのけるような強い会社にしたいと思っています。それを組織の力で成し遂げたいですね。

今まで長くお付き合いをさせていただいている大切なお客様との関係をより強固なものとしながら、次の世代の柱を作ることにも着手しなくてはいけません。それには全員一丸となり新しいことにチャレンジし、今まで私たちがお付き合いできなかった業界にも参入し、新たな強みを作っていきたいので、これからの10年間が勝負だと考えます。
「自ら考え決断し行動する」という行動指針は、新熱工業の企業文化の理想の形であると私は思っています。それには、私が大義名分を示し、その理念とビジョンを社員の皆さまと共有し、一人ひとりが能動的に動ける文化をコツコツと作り上げていくこと、そしてその支援をする事が私の大きな使命であります。人を通して社会貢献することを実現して参りたいと思います。